ロンドン 徒然子連れ

イギリス ロンドン 駐在員の夫と私、2人の子どもと共に過ごした2年半の備忘録です。

渡英後の子どもの英語 ②

 異なる言語、文化の中に飛び込むのは、年齢が低い子の方が一般的にはすんなりいくというが、我が家も例外ではなかった。

 

・下の子の場合

 渡英時4歳(幼稚園の年少)だった下の子。9月スタートのイギリスでは、4〜8月生まれは早生まれにあたり、我が子も早生まれの扱いとなり、現地校のReception yearに編入した。

 Receptionとは、year1(1年生)の前段階、つまり小学生の準備学年のようなもので、他のyearと同じ時間学校に通う(初めは短縮授業らしい)。

 

《0〜1ヶ月》

 平仮名の読み書きができたので、アルファベットの読み書きを簡単に教えた(記憶はあるが、できていたのかは不明)状態で編入

 初日は、「全く声を出さなかったわ」と先生も苦笑い。人見知り&場所見知りが酷いが、タフな性格なので泣いたり嫌がったりもしないため、淡々と過ごす日が続く。

 読み書きは、周りの子も今まさに学習を始めたようで、ノートにアルファベット(小文字)を書く練習をしているようだった。

 

《3ヶ月》

 ある日の宿題で「1から20まで数えましょう。次は20から1まで数えましょう」のような課題があった。

 これ、すごく困った記憶がある。多分、"数える"ことを"count"と"count backwards"とかなんとか書かれていたと思うのだけど…。下の子、英語の意味もわからないし、日本語で説明しても反対に数えるという意味がわからず、親子で四苦八苦したものだ。

 この後、「英語の意味も日本語もわからない」という困った事態が幾度となくあった。

 

 挨拶と必要最低限の英語しか話さないが、学校生活に特に困っている様子もない。

 

《6ヶ月》

 お迎えに行くと、うとうと寝ていることもしばしば。母は、学校だから注意されるかとヒヤヒヤ。だが、先生が優しく「疲れちゃったのよ、まだ小さいから」と抱っこしてくれていたりもしたっけ。慣れてきた証拠か。

 現地の子とも、笑顔で遊んでいる様子。

 学校では相変わらず最低限の英語で対応している様子。家では「赤とピンクとPurpleと白」のように、彼女にとっての新しい言葉は英語で、他は日本語でというミックスが始まる。

 

 どうやらReceptionの学年は、「遊びながらお勉強」の要素が強く、別に課題ができないから困るようなことはないようだった。

 

 下の子については、この後もずっとESLには呼ばれておらず、year1,2と学年が進むにつれ、どんどん英語力が上がっていった。比例して、普段の会話に英単語がたくさん!学校には日本人のお友達、家では日本語のみ、で過ごしていてもこうなのだ。あと数年いたらどうなっていたのだろう。改めて、日本人のお友達に感謝。

 

 

 英語力については、周りのお子さんをみていても、小学校くらいの子どもは、ほとんど在英歴の長さに比例していたと思う。会話力は性格に依るところが大きいのだろう。外交的な子は話し出すのが早いし、一方で、全然話しているのを見たことがないけれど、「あの子、すごいできるのよー」と周りのお母さんに言われていたり。

 駐在員の家族は、多くが1〜5年くらいで帰国されるご家族。なので当然1年目の子より、もう4年います、という子の方が英語はできる。そんなこと考えればすぐわかるのに、なぜあの頃の私は、初めのうち「うちの子大丈夫かしら」と焦っていたのだろう。他人と比べても仕方ないのに…反省。

 

 「子ども達は学校で毎日、英語をシャワーのように浴び続けている」とある言語セラピスト(現地)の方が仰っていたが、だからこそ大切なのは母国語なのだとか。

 ともあれ、特に上の子は、「シャワーのように英語を浴びて、気持ちよく英語が身についた」とは到底思えない。人知れず努力し、悔しい思いもし、頑張ったのだから。もっと上の年齢で渡英し頑張っているお子さんには、心からの拍手とエールをおくりたい。