帰国したら気をつけたい5つのこと
本帰国するとすぐに日本での忙しい生活が始まる。夏休みや冬休み中など、まとまった休みに最後に家族で旅行に行き、帰国後はしばらく生活を整えて…なんて羨ましいご家族もいるだろうが、我が家はそうではなかった。
年度始めに本帰国した我が家。夫はすぐ会社へ、私はスーツケースの中身と格闘しながら区役所→子どもの学校→生活に必要な物の買い出しと手続き、そして飛行機便を待ちつつ家の片付けに追われた。
子どもはすぐに学校がスタート。
帰国後の生活で子どもたち、そして私が気をつけたことをまとめてみよう。
①「ではの神」になるなかれ
在英時、友人から言われたこと。「イギリスでは〜」「英語では〜」と言ってばかりの人のことだそう。悪気はなかったとしても、周囲から見ればたしかに感じが悪いかも…。
これは親子で気をつけなくてはいけない。
②とはいえ必要以上に秘密にしない
矛盾するようだが、我が家の子たちには、もし友達に「海外から来たの?」「英語話せるの?」と聞かれたら、それは正直に答えるようにアドバイスしていた。自慢でも謙遜でもなく、事実なのだから恥じることはない。
③わからない日本語は素直に聞こう
これ、1番大事なのではないだろうか。子どもの性格にもよるだろうが、できない・知らないことが恥ずかしいと思うと、つい強がって「イギリスでは〜だった」「英語の学校では〜した」と、先の「ではの神」になってしまい、周りには自慢と受け取られ…と良くないことになると思う。
とにかく、わからない日本語や知らなかった習慣などは、素直に友達や先生に聞くようにアドバイスした。
幸いにも、良い先生や友達に恵まれたため、わからないことは周りにフォローしてもらえていたようだ。
④担任の先生とのコミュニケーション
こちらはわたしが心がけたこと。上の子は元いた学校に戻ったので、友達も顔なじみ、知っている先生もいて、特に心配はなかった。
一方、下の子は初めての学校、知らないお友達ばかりのため、手続きのため行った日も、緊張でシクシクしてしまう始末。それを見ていた校長先生が、「お母さん、初日は一緒に教室まで登校してください」。
いよいよ初日、元気に飛び出して行った上の子のに続いて、下の子はしょんぼりと登校。玄関で校長先生が待っていてくれて、私も一緒に3人で教室へ。教室前で担任の先生にバトンタッチして、下の子は緊張でカチコチのまま教室へ。教室の外から見送り、校長先生に挨拶をして私は帰宅した。
初日の夕方、担任の先生が電話で今日の様子を教えてくれた。また、日本語でのコミュニケーションには不自由ないと伝えてはいたが、校長先生の取り計らいで、念のためサポートの先生が数日ついてくださることも聞いた。
今思えば、下の子は本当にラッキーで、この担任の先生は度々連絡をくれ、「今日はこの言葉がわからない様子でした」とか「今日の授業でこういうことをしたのですが、◯◯さんは初めてのようでちょっと苦戦していました」など、積極的にコミュニケーションを取ってくれたので、本当にありがたかった。
おかげで下の子も、あっという間に学校大好き♡になったのだった。
私もできる限り学校行事のお手伝いに参加するようにした。(この熱意は1年で燃え尽きたが…)
⑤公共の場での視線
悲しいかな、日本は子どもにあまり寛容ではないと感じるのは私だけだろうか?バスや電車で小さい子が泣けば、周囲からは冷たい視線。席を譲ってくれる人も少ない気がする。
イギリスで、周囲の寛容な雰囲気に甘やかされて過ごしてしまった私たち。言い方を変えれば、すっかりお行儀が悪くなって帰国した私たち。最初の数ヶ月は、少々緊張しながらお出かけした。
具体的に気をつけたことを覚えている範囲で書き出すと…
・公共の場で、カーペットフロアだからといって座り込まない
・近距離のバスや電車の中で、むやみに飲食しない
・小学生は席は譲ってもらえないのが当たり前、むしろ譲るべき側だと思うこと
・周りの人にむやみに話しかけない
今思えば、全部当たり前なのだが。私がピリピリし過ぎていたのかな…。
イギリスおもしろ話 学校編
子どもがイギリスの現地校(公立)に通って良かったことは、英語の習得もさることながら、やはりイギリスならではの文化に触れることができたことだと思う。なかなか面白い学校生活を回想しよう。
・いろいろな仮装?の日がある
以前も書いたが、学校行事のような催しが日本に比べて少ない代わりに、様々な仮装の日がある。思い出せる限り並べてみると…
World book day: お気に入りの本のキャラクターに扮装する日
Pajama day: 名前の通り、パジャマで登校
Odd socks day: 左右違う靴下を履いて登校
Christmas jumper day: クリスマスセーターを着て登校
Number day: 数字のついた服を着て登校
などなど。それぞれ意味があり、スモールドネーション(50pや1ポンド)を持っていって、チャリティーに寄付したりしていた。他にも、各国の民族衣装を着る日や、指定された色を身につけて登校する日、お気に入りの靴(ヒールはダメ)で登校する日、など制服を着ない日が何度かある。どれも参加しなくてもよいのは、貧富の差や宗教を考慮してのことか、とにかく自由。
・誕生日の祝い方
私は初め、これが1番驚いた。誕生日の子が学校にカップケーキやスモールギフトを持参し、自らお友達に配るのだ!クッキーやドーナツ、カップケーキが多かったように記憶しているが、絵本や小さなおもちゃ、文房具などのこともあった。アレルギーの子どもも少なくないので、日本製の鉛筆や消しゴムは、現地の子にも喜ばれた。
そして、今日がお誕生日です!と先生に言えば、クラスみんなでハッピーバースデーを歌い、クラップするのだとか。このバースデーソングの後のクラップも日本とは異なる。
先生:"Hip hip" 子ども達:"Hooray!"
の掛け声をたしか3回、その後、歳の数だけクラップ(拍手)をするような…なんとも楽しい感じなのだ。
・クリスマスや年度末には先生へカードを
年賀状や暑中見舞いの葉書の習慣はないが、イギリスはカード文化の国。クリスマスは家族や友人のみならず、近所や学校の先生にもカードを送る。
学校の場合は、クリスマスと年度末(夏休み前の7月)に、先生にカードを渡すのだが、その際ギフトを添えることが多い。
なんだか賄賂みたい…と考えるのは野暮、この国では贈る方も受け取る方もただ感謝とありがとうの気持ちのみ。
・クラスパーティーには食べ物を
我が家がイギリスにいたのはコロナ前だったので、現在のところがどうかはわからないが、当時は各タームに1回くらい、クラスパーティーまたは学年パーティーがあった。
何をするのかというと、子どもたちが持ち寄った食べ物や飲み物でパーティーをするというだけ。しかも持ち寄りということは保護者が準備するのだ。
数日前に教室の前に、「用意して欲しいものリスト」の紙が張り出され、各保護者(有志)が名前を書き込むシステム。フルーツ、ドーナツ、ジュース、だけでなく、紙ナフキンや紙コップ、お皿、なんてのもあったし、時には「寿司」と書かれたリストもあった。明らかに、学校側から日本人ママお願いね☆の圧を感じ、日本人のお母さん同士で相談して、ツナロールとカッパ巻きを分担したりしたのも良い思い出。
・着ない制服はセカンドハンドに
公立小学校でも制服があるのがイギリス。小学校はレセプションからyear6まで7年通うので、成長に合わせて制服も買い替えなければならない。そこで、着なくなった制服を寄付して、PTAや学校がセカンドハンド(古着)として販売するシステムがある。
貧富の差が激しいイギリス。シリアやアフリカ、パレスチナから来た難民の家庭や、兄弟が多い家庭、または制服にお金をかけないポリシーの家庭など、購入側には助かるし、何よりゴミの削減にも一役かっているし、すごく良いと思った。
・休み時間は外へ
ブレイクタイムやプレイタイムと言われる休み時間は、雨の日以外はとにかく外へ出て遊ばなければならない。寒い冬の日も、暑い夏の日も(あまりないが)、子どもたちは休み時間はプレイグラウンドに。当初ビックリしてイギリス人のママに聞いたところ、「太陽を浴びなくちゃね。ビタミンDね!」と言われたっけ。
またこの休み時間、担任の先生はいない。ランチタイムも子どもを見守るのはディナーレディと呼ばれるスタッフの人たち。分業が進んでいる国イギリス。日本の小学校の先生たちのご苦労に思いを馳せる…。
・何かと表彰してくれる
イギリスのプライマリースクールは、とにかく子どもを褒める。Teacher's award!と書かれたカードには、「こんなことができました!」と先生のお世辞にも綺麗ではない英語が書かれていて…解読が大変(笑)。また、無遅刻無欠席もとても褒めてもらえる。1年間で100% attendanceを続けると、賞状とバウチャーをもらえたりもした。
・おかしなお菓子のお弁当
学校の昼食は、スクールミールかお弁当持参が選べるのだが、お友達(日本人以外)の持参するお弁当が、驚くものだったりする。
子どもから聞いた話だが、「バナナとクリスプス(ポテトチップス)」はまだ普通で、フルーツジュースやチョコレートバーを持って来る子もいるのだとか…。クリスプスは芋だし、ケチャップはトマトだから野菜、なんていう子もいるらしい。言葉がない…。
イギリスおもしろ話 生活編
渡英して知った、日本とは異なる面白い習慣の違いを思い出してみよう。
・挨拶の言葉の後に必ず"How are you?"
これ、苦手なのは私だけ?おはよう、とか、こんにちは、だけにしてよ!!と毎回焦るのは私だけ??
挨拶の後に必ずと言っていいほどついてくるこの"How are you?"、そして特に親しくない限りは深い意味はないらしい、ただの習慣と知ってまたびっくり。
なので、もう絶対、反射的に"Good"と返すことにしていた。
・隣の人に気軽に話しかける
バスや地下鉄を待っている時、スーパーでレジ待ちをしている時、、、隣の人がとにかく話しかけてくるのがイギリス。特にご年配の方は、相手がいかにも英語ができなそうな日本人でもお構いなし。
よく聞く、深い意味のない天気の話もそうだが、バス停でバスを待つ時なんて、「あなた日本人?私日本人が好きなのよ。」から始まり、どこに住んでいるとか、家族の話まで一通り聞けてしまうこともしばしば。バスが来たら笑顔で終了。本当にただの時間潰し。
・何でも試す、そして返品する
洋服の買い物をしていてよく見かけるのが、とにかくたくさん試着する人たち。試着室にもたくさん持ち込むし、セーターをその場で着てみる人もいる。試着室の出口には、試着したけど買わない服の山。
そして返品する人も日本よりすごく多い。袋いっぱいに返品の服や靴を持ってくる人もいる。最初に見た時はすごく驚いたが、店員も普通に対応していたので、これが普通なのだろう。
化粧品売り場も然り。テスターで真剣にアイシャドウを塗っていたり、口紅を普通に塗っていたり、、、それただメイクしに来ました?と思ってしまう人も見かけるが、特に誰も気にしていない。日本のデパートで化粧品を試したらなんとなく買わずに帰るのが気まずい時があるが、こちらの店員さんは、「全然いいよ。気軽に試してね!」という感じでなんの圧も感じない。
ちなみに、パブでもどのビールを注文しようか迷ったら、試飲ができる。
とにかく何でも試す国、イギリス。
・荷物の受け取りはご近所さんへ
ネットで商品をポチッと購入し、指定した日の指定した時間にきちんと届く日本とは異なり、荷物が指定した日に届かなかったり、違うものが届くこともあるのがイギリス。
最初に驚いたのは、不在票に「荷物は隣に預けました」と書かれていたこと。え!隣の人に?!と思ったが、どうやら普通のことらしい。幸いにも我が家は隣人が善い人たちだったので、何度お世話になったことか。時には庭でお互い「はい、荷物」と受け渡したりしていた。
なお、荷物が預けられたお宅に取りに行ったが無かった、なんてトラブルも耳にしたことがあるのでご用心。
・なかなか素敵なご近所付き合い
荷物のことで思い出した。イギリスでは年賀状はないが、クリスマスカードを送り合う習慣がある。
学校の先生や友達、遠くに住む親戚のみならず、お隣りさん同士も!もちろんお隣なので、直接お家のポストに入れるのだが、これは素敵な習慣だなぁと感心した。
ちなみに、日本では引越して来た方が近所に挨拶に回るが、イギリスでは隣の人が、「ようこそ、よろしくね!」とお菓子を持って挨拶に来てくれる。
ダイバーシティなので、隣の人も外国人という場合は違うかもしれないが、イギリス人特にご年配の方はきちんとしたお付き合いのマナーがありそう。
ゴミの回収日に旅行で不在にしていたら、ゴミバケツを出しておいてくれた、なんて友人の話も。
我が家の庭は、垣根が低かったので、バーベキューをしていたら隣の人が出てきて立ち話をしたり、小さい娘同士、垣根を飛び越えて庭で遊んだりしていた。
・Museum の多くは入場料がタダ
大英博物館、ナショナルギャラリー、科学博物館、自然史博物館、、挙げればキリが無いくらいたくさんのミュージアムがロンドンにはある。そしてそのほとんどは入場料が無料!特別展だけは料金がかかることが多いが、常設展だけでも充分楽しめる。
子連れおすすめスポットの科学博物館や自然史博物館では、小さな子どもを連れたパパやママが、お弁当を持って訪れているのをよく見かけた。
ちなみに大人におすすめは、V&Aミュージアムとナショナルギャラリー。どちらもカフェが素敵(味は普通)。
イギリスは何でも値段が高いけれど、ミュージアムだけは日本よりお得。
帰国後の子どもの英語②
さて本帰国後、我が家の子ども達の英語力はどうなっていったか。
前提として。渡英時は、家庭では日本語のみで会話、学校の休み時間や放課後は日本人のお友達と遊ぶことがほとんど。よって会話としての日本語がなくなることはなかった。
英語については、自分ができないためよくわからないが、学校の評価レポートでは、読み書きは年齢相応のレベルと書かれていた。
・上の子の場合(帰国時小学4年)
帰国後、おそらく2ヵ月くらい経ってから上の子はJOES(英語保持教室)のテストを受けて通い始めた(記憶があいまい)。
これは私のせいだが、帰国後の英語にあまり積極的な気持ちがなく、まずは日本の生活ペースをしっかりつけよう、などと呑気な考えだったのだ。結果としてはあまり良くなかったと思う。
夏休み、あまりに暇なので、上の子にオンライン英会話をやらせてみた。初めは側で見守ることにしたのだが…。なんと、会話が明らかに衰えている!!というのが素人の私にもわかってしまった。私が気付いたのは、特に発語までのスピード感が以前のそれとは違っていたのだ。久しぶりで、ちょっと考えないと出てこない、という感じだった。
2ヵ月思いきり日本の学校を楽しみ、誰とも英語を話さなかった上の子。子どもの脳の順応性たるや、ある意味すごい。
その後は、週1回のJOES(保持教室)と、オンライン英会話(25分)を週1回、時々サボりつつ、小学校6年の夏休みくらいまで続けた。
また、上の子は日英問わず読書は苦ではない子なので、英語の本も積極的に買って読ませていた。
小学校6年の時点で、会話はやはり衰えてしまったが、相手の話していることは概ね理解でき、映画は字幕なしで観ることができる(が、字幕の方が楽だそう)。英語の本は、小学生向けの小説くらいは読める。書く方は、英検の一次試験では、勉強なしで半分くらいの点数の出来具合、と言った感じだった。
・下の子の場合
小学校1年で帰国したので、勉強の出来不出来はよくわからないが、まだ小さいので特に期待もせず、本人が楽しいならと英会話教室に通わせた。
英会話教室は帰国生コースなので、料金は高いがネイティブの講師とマンツーマンの40分レッスン。週1回だが楽しく通っていた様子。迎えに行くと、我が子の元気な英語が聞こえてきて、スタッフの方からも「いつも教室に入った途端に講師と元気にお喋りしています」と言われた。楽しく続けてくれたらそれでよし、だったので、ハッキリ言って読み書きは全然進捗なしだった。
「日本にいると、当然のことながら会話力つまりスピーキングとリスニングは衰えていきますが、読み書き(リーディングとライティング)は伸ばしていくことが可能です」とは、上の子のJOESの説明会での言葉だが、我が家の下の子は、異なる方へ進んだようだ。
英検は4級、次は3級、その後少し期間が空いたが、小学校2年で準2級を取得した。
小学校中学年の時点で、読み書きについては、年齢より幼い子向けの英語の本を読み、year2くらいのレベルの英文を書くくらいで止まってしまっている。会話も所詮は子どものお喋りではあるが、こちらは残っているといえる。ディズニーの映画などは、英語で観るほうが楽だそう。字幕は読めない…。
いろいろ振り返って、何が良かったか悪かったかはよくわからない。しかし、なんでもいいからとりあえず英語に触れることを続けるだけで、全く無くなるということはないのだな、ということだけはわかった。
また、英語の何に重点を置くのかもポイントかもしれない。受験に向けての英語力なら、読み書きや文法、エッセイの書き方などを勉強しなければならない。一方でコミュニケーションに重点を置くなら、英会話教室やオンラインで十分だろう。
残念ながら、日本での生活で、英語に触れる機会はお金を払わないと得られない…。
ちなみに私も、帰国後は今度こそ!と、少しずつ英語の勉強を、、始めては三日坊主、、また始めては二日坊主、、、を繰り返している。面目無い。
帰国後の子どもの英語①
本帰国した後の、子どもの英語をどうするか。これは、子どもの年齢や性格、在英期間、また住んでいる地域などによって、いろいろな選択肢があり、本当に悩ましい。
経済的に余裕があれば、日本にあるブリティッシュスクールやインターナショナルスクールに転入するのが、英語をキープすることに関しては一番手っ取り早いのだろうが、我が家にそんな財力はなし。海外志向もない。加えて上の子は、もといた小学校に戻りたいと希望している。
なので、公立小学校に通う=英語と離れる環境になる。
中学受験を考えているご家庭に御用達の帰国子女アカデミーを筆頭に、早稲田アカデミーの国際クラス(帰国生クラス)、イギリスにもあったJOBAなどの存在を当時は知らず、、、また、帰国当初は中学受験など考えていなかったため、上の子は帰国子女財団が運営しているJOES(英語保持教室)に通うことにした。
一般的に、幼稚園や小学校低学年で帰国した場合、英語の定着は難しいらしい。まあそれはそうだな、ということで、下の子は自然の流れに身を任せよう、と思っていたが、、。
渡英前にお世話になった英会話教室へ体験レッスンに行ったところ、楽しそうにお喋りしていて、周りの人から「すごいねー」なんて言われてまんざらでもない様子の下の子。
そうか、英語で話したいんだな、ということで、とりあえず週一回英会話教室に通うことになった。英会話教室の帰国コースは、グループレッスンではないのでお値段もお高め。なかなか厳しいが、英語保持教室は小学2年からなので、その間のつなぎに、と考えることにした。
せっかく身につけた英語。とはいえ、我が家の場合は渡英期間も長くはないし、日本人が多い学校にいたので、英語力も大したものではないのかもしれない。
できることなら忘れないでほしいと思うのは親の欲だろうか。「子どもの英語保持は、母親の熱心さにかかっているんだって」と、明らかに講演会での講師の言葉を曲解した夫に言われた時は、「もういいじゃん!ここ、日本だよ?!」と言いたくなったが、とりあえず協力はしますよ、と覚悟を決めた。
上の子は、初めはハッキリ言ってやる気なし。「せっかく日本に帰ってきて、懐かしい友達がいる学校で、100%わかる言葉で勉強できて嬉しいのに、また英語?」と言う。いやもう、本当にその通りだ。
私は、イギリスで子どもが補習校に通っていた時、永住のお子さんが「もう日本語いらないのに、行きたくない」と補習校に行きたがらないという悩みをお母さんから聞いたことを思い出した。子どもにしてみれば、必要ないことはやりたくないのは当然だ。
「せっかく英語ができるのに、忘れたらもったいないよ」と褒めたり励ましたりしながら、保持教室へ。
行ってしまえばクラスにお友達もでき、楽しんで通っていた。周囲の流れに身を任せて、英検も2級を取得。その後1年以上経ってから、準1級も取得した。
続く
さよならイギリス、ただいま日本
・お別れの日
最後の数週間は、子どものお友達とお互いの家でお泊まり会(スリープオーバー)をしたり、母は友人とランチ、また家族ぐるみのお付き合いのお宅とはお互いの家で食事会(という名の飲み会)。イギリス人の友人たちとは、パブに行ったり、子どもと公園に行ったり。
本当にあっという間に、お別れの日を迎えた。
驚いたことに、学校ではクラスメイトだけでなく、担任の先生、アシスタントの先生からもカードやギフトをいただいた。中には昨年度のアシスタントの先生まで!
よく頑張ったね!
寂しくなるわ。
元気でね!
中でも忘れられないのが、下の子の前年度のアシスタントの先生からの言葉。
「あなたの子はとってもビューティフル!ママ、あなたもね☆」
担任の先生よりお世話になったかもしれない、子どもも私も大好きな先生。もちろん容姿のことじゃないくらい、私にもわかったし、上の子に比べるとあまり目立たないタイプ(特に学習面)のこの子を、よく見ていて褒めてくれた(オマケに私まで!)ことが、何よりありがたかった。
いろいろもらって、良かったのかな?他の子とか、嫌じゃないかな?
なんて、日本人らしい心配をしていたら、イギリス人の友人が、「今日で最後なんだし、先生たちも周りの子もわかっているんだから、何も気にする必要ないわよ」と言ってくれた。
出発の朝は、仲良しのお友達とママに見送られて、ただただ感謝の気持ちを胸に、飛行機に乗り込んだ。
・日本に帰ったら
帰国したらしばらくのんびり、なんてことは夢のまた夢。自宅に着いたらすぐに簡単に掃除、洗濯をして、翌日は朝からフル回転。
普段の家事に加えて、急ぎでやること。
・スーツケースの荷解き
・電気の契約アンペア変更
・区役所への転入手続き
・携帯電話の手続き
・学校の準備
・そして下の子の歯医者へ。
実は下の子、帰国数日前に「歯が痛い」と言い出し、ロンドンで日系の歯医者に連れて行ったが、泣いて治療が受けられず、痛み止めを飲んでだましだましで帰国したのだった。そのため、帰国してすぐに渡英前からお世話になっていた歯科医院へ連絡して事情を話し、滑り込みでみてもらった。
学校について。
区役所で転入手続きをした後、翌日には学校に連絡し、手続きに行った。上の子が通っていた近所の小学校、幸いにも校長先生含め、何人かの先生が当時と変わらずいらっしゃって、手続きに行った時には「○○くん!おかえり!」と温かく迎えていただいた。
この日は、何かの書類を書いて、あとは給食費や教材費の引き落とし銀行の件や、授業に必要なものの説明を受け、いつから登校するかを決めた。我が家はなぜか子ども達は時差ボケと無縁なため、翌日から登校することとなった。
電気の契約アンペアについては、我が家は持ち家を賃貸などにせず、そのまま空き家にしていったため、渡英時に電気の契約アンペアを下げる手続きをしていた。なぜなら、両親が時々家を見に来てくれていたためだ。電気、水道を止めていかなかったので、帰国してすぐに生活を始められたのは良かった。
かくして、日本の生活が始まった。
本帰国が決まったら③
さて、心の準備はできたので、引っ越しの準備を進めなくては。
・荷物の仕分け、とにかく処分
イギリスの家は思っていたより小さかった、と以前書いたが、とはいえ日本の家の方が大きい、なんてことはあまりない。
いつの間にか増えてしまった荷物たち。我が家の場合は特に本、衣類、食器だ。
おもちゃ類の多くはもう使わないため、友人にもらってもらい、残りは処分。
子どもの衣類や制服は、ほとんど友人がもらい受けてくれたので、ゴミにならずに済んだ。
自分の衣類は、もう着ないものは思い切って処分。チャリティーの袋に入れて朝の回収へ。
本については、日本語の幼児用絵本は周りの日本人のご家庭にもらい受けていただいたのだが、反対に子どもの英語の本をたくさん買い込んで持ち帰ったので、量は減らないどころか少し増えた。しかし、日本で買うととても高いので、イギリスのbookpeople(現在はない)やAmazonで驚くほど安く購入した。
(後に機会があれば綴りたいが、買っておいたら読むかなぁ、と買った本にも当たりハズレがあった。)
・お世話になった皆様へ
子どものお友達へ、学校や習い事の先生へ、自分の友人達へのカードとお礼の品の用意…これが一番大変だと感じるのは私だけだろうか。
子どものお友達といっても、クラスメイトだけではない。何といっても日本人が多いこの学校の慣習なのか?同学年の日本人のお友達全員にプレゼントを配っている方がほとんど!!これってすごい数!!ということで、我が家はお菓子に決定。加えて仲良しのお友達にはカードと別のプレゼントを、また、クラスメイトには鉛筆と消しゴムを配った。…と思う(もう記憶がない)
友人にはそれぞれささやかなプレゼントとカードをお渡し。
お世話になった学校の先生にもカードとプレゼントを。
娘同士が仲良く庭で遊んだお隣さんにも、カードとプレゼントを用意した。
・日本の家族、友人へのお土産
これらは早めにまとめて買って、なんなら飛行機便に入れて送るのが一番。
我が家の場合、すぐに会うのは親くらいだろうし、親ならお土産の荷物が届いていないことくらいなんてことはない。ということで、あらかじめイギリスブランドのハンドクリームや紅茶やエコバッグを買い込み飛行機便に入れた。
お土産を手荷物で持ち帰ったのは、夫の会社へのお土産と隣近所へお配り用の少量のお菓子くらいだったような…。
手荷物には、飛行機便が届くまでの衣類や、子どもの学校用品を優先して詰め込んだ。また、帰国買いしたコートも心配なので手荷物に。
引っ越し荷物について、記録しておくべきこと、それは「できるだけ処分すること」だ。退去時、引っ越し業者が不用品を処分してくれるサービスを利用しない手はない。なぜなら、持ち帰ってやっぱり使わないから処分しようと思うと、大抵のものは粗大ゴミで有料だから。
我が家の失敗として、こちらで購入したベッドの上に敷く低反発マットを夫が持ち帰りたいというので、重いし大きいのにわざわざ送った。しかし、最初からわかっていたが、日本の自宅のベッドとはサイズが合わないため、結局数ヶ月置きっ放しにした結果、粗大ゴミに出すハメに…。IKEAで購入したベッド用のライトも、日本の電圧の違いが、「なんか暗い」と結局ゴミに…。
今、私は声を大にして言いたい!「捨てるなら引っ越しの時に!!」
と、いろいろ思うところはありつつも、なんとか荷物は日本へ。我が家は帰国までのスケジュールを考えて、船便2回、飛行機便は1回(通常2回まで可能だった)で引っ越しを完了した。
・日本の学用品を準備する
見落としがちな、帰国後の学校に関するもの。帰国して、住民票の転入手続きに行くと、そのまま学校の案内があり、早いとすぐに学校が始まる。この時に向け、日本のAmazonなどで購入したり、できるだけの準備を進めた。
幸いにも上の子はまた同じ小学校に戻るため、友人から何が必要か教わることができた。
覚えているものとしては、上履き、体操着、紅白帽、絵の具セット、リコーダー、習字セットなど。ノートや文房具は今あるもので足りないものを購入。
その他、日本ですぐ生活を始められるよう、必要なものも可能な限りネットで購入し、実家に送っておいた。
あとは数日を楽しく過ごして、帰るのみ!