ロンドン 徒然子連れ

イギリス ロンドン 駐在員の夫と私、2人の子どもと共に過ごした2年半の備忘録です。

本帰国が決まったら②

 突然やってくる本帰国の知らせ。ここからは、後ろ髪を引かれる思いで準備を始めるしかない。

 

・子どもに本帰国を告げる

 

 一番ナーバスになる場面だが、子どもにも本帰国を告げなくてはならない。

 はじめから「だいたい○年くらいの予定」で赴任されているご家族の場合は、あと少し、いつくらいまで、と話す機会もあり、子どももある程度覚悟ができているかと思う。しかし我が家のように、赴任期間が未定の家族は、突然やってくる本帰国のお知らせ。

 タイミングを見計らい、ある日の夕飯後に話をした。

 

「あのね、もうすぐお父さんも一緒に、みんなで日本に帰ることになったよ」

 

 2人とも初めはショックで言葉が出ない様子。数分後、下の娘は予想通りシクシク泣き始めた。

 予想外だったのが、喜ぶと思っていた上の子までメソメソ。普段から、食べ物も学校も、日本の方が良いと言っていたのに。

 これは私にとって、ある意味で勝利の瞬間だった(大袈裟だ)。なぜなら、上の子が学校で悲しい思いをした時、「忘れるくらい楽しい思い出でいっぱいにしよう」と誓ったのだから。

 日本での新生活への不安があるのだろうが、イギリスがいい、帰りたくない、という気持ちに寄り添いつつ、「残りの期間を思い切り楽しもうね」と話し合った。

 

 

・日本の家族、こちらの親しい友人へ報告

 

 友人達は、迎えるのも送り出すのも何度も経験済み。しかし自分もそうだったが、「こればかりは慣れないね。寂しいね。」と話しながら、帰国までにお茶しようね、ランチに行こうね、買い物付き合うよ、と次々予定がうまっていった。

 

 以前、子どものトラブル時に相談にのってくれた方からのアドバイス、「帰国が迫るとどんどん予定が詰まっていくが、必ず自分だけのオフの日を作ること!」なるほど納得。

 親しい友人と楽しくお喋りをし、放課後は子どもの友達が遊びに来てくれて、、一日の終わりは何だかぐったり、なんてこともしばしば。

 

 幸い我が家は皆、元気に本帰国の日を迎えられたが、スケジュールを詰めすぎてお子さんが発熱、なんて場面もよく見かけた。

 何より体調管理が大切だと思った。

 

 

続く

本帰国が決まったら①

 イギリス生活にも慣れ、友達もでき、まとまった休みは家族でヨーロッパの各地へ!と、楽しく過ごして早2年数ヶ月…夫に本帰国の内示が!!

 「え?!もう?早くない?」と言いそうになったが、渡英後も慣れない英語環境で、日本と変わらぬ長時間労働、仕事面では良いことあったのかなぁ、と心配になるような夫に、その言葉は酷である。ぐっと堪えて「おつかれさまでした」と言った。

 

 この瞬間から、夫と私は本帰国モードへ!やるべきことをどんどん片付け始めよう。最優先は夫の仕事ではあるが、家族としては子どものことを第一に考えよう、と決めた。

 

・帰国までのざっくりとしたスケジュールをたてる

 

 夫は新年度初めには日本に戻ることとして、そこから学校のカレンダーと睨めっこ。まだ子どもには話していないが、3月末に帰国すると仮定し、引越しのスケジュールをざっくりと決めた。

 子どもには2月のハーフターム中に話すと決め、ハーフターム後にすぐ荷物を出そうということに。我が家の場合は、夫の会社の規定で船便と航空便をそれぞれ2回ずつ出すことができるので、なるべく早く夏物衣料などを中心に船便を出してしまうことにした。

 

 

・住居と子どもの学校を決める

 

 持ち家をそのままの状態にしてきたため、元の住居、上の子が通っていた近所の公立小学校に2人とも通わせることですんなり決定。(しかし、子ども達特に下の子が日本の小学校にすんなり馴染めるとは思えず、夫には内緒で、帰国生を受け入れている私立の小学校などもこっそり調べていた私。杞憂に終わったけれど。)

 

 

・帰国までにやり残したことを考える

 

 渡英時とは異なり、本帰国は急なスケジュールになるご家庭がほとんどではないだろうか。

 我が家も例外ではなく、内示(内内示だったかな?)から3ヶ月なく帰国を迎える感じだったため、あとの休みをどう過ごすか?が重大な問題となった。まだまだ行きたい場所は山のようにあったが、スケジュールを考え、国内と近場のヨーロッパ2カ国を旅行する予定を立てた。

 

 

 ここまで決まると、あとは密かに家の中の片付けを始めた。

 小さくなって着られない子どもの衣類や靴、もう着ない自分の洋服は、時々ポストに入っている様々なチャリティのドネーション袋に入れて回収日に家の前へ。これ、捨てるにはもったいない箪笥の肥やしを整理するのにもってこい。

 おもちゃや本も、こっそり仕分け。あとは捨てるかあげるか、持って帰るだけに。

 帰国に向けてのお買い物の物色も、勝手に開始した。

 

 

続く

 

英検は、在英中に受けるべし

 「英検て、日本だけの資格なのに、なんでみんな子どもに必死になって受けさせるの?」

という過去の私に、今の私からの答え。

 「それはね、中学、高校、果ては大学受験に役に立つ資格だからだよ。」

 

 というわけで、ただイギリス生活を楽しめば良し!としていた過去の私に強く言いたい。

「子どもの英検は、在英中に受けるべし!」

 

 理由は2つ。

 1つ目は、子どもの英語が今まさにピークだから。帰国後、我が家のように普通に公立の小学校に入った場合、間違いなく子どもの英語力は落ちていく。スピードや程度は個人差があるとしても、英語で学校生活を送っていた時とは、英語に触れる時間が雲泥の差。これは仕方ない。

 

 そして2つ目の理由は、試験会場の雰囲気だ。我が家は在英中、英検を受けたことはなかったので、あくまで友達から聞いた話だが、イギリスの試験会場は子どもばかり。よってアットホームな雰囲気もあるのだとか。

 対して日本はというと、小学生特に低学年が受験する場合、間違いなく目立つ。3級くらいだと、中高生ばかり(または小学高学年)で、子どもも要らぬ緊張をしていた。

 我が家の子が英検を受験した時は、大学が会場だったので、2級の時は大きな教室に小学生と思われる子はほんの数名。皆、保護者が横について受験票を記入したり手伝ったりしていた。子どもも、周りの人たちも、要らぬプレッシャーを感じたと思う。

 その後、準1級の際には、子ども(小学生か中学生)だけまとまった教室だったので、英検協会側で、何かしら配慮がされていたのかもしれない。しかしコロナ禍で、保護者が教室まで迎えに入ることができず、待ち合わせ場所を決めたりいろいろ面倒だった。

 

 以上の理由から、もし子どもが英検を受けるなら、ぜひ在英中に受験されることをお勧めしたい。

 

 中学受験の際、英検資格○級以上で英語の筆記試験が免除されたり、英語試験に加点がされる学校もある。取っておいて損はないらしい。

 しかし、在英中あるいは我が家のように帰国後すぐに雰囲気だけで簡単に合格した英検資格が、そのまま受験英語に通用したかというと、そう簡単にはいかなかった…。

 なので、我が家の場合は、あの時点で準1級の実力だった、というある種の記念となった。

友達との楽しい思い出

 子ども達のおかげで、私のお付き合いの幅も広がっていった。学校の日本人コミュニティは親切な方が多く、新しく入ってきた子どもとその親には誰かしら声をかけてくれる。数日経つと、「どうぞ遊びに来てください」なんて放課後に子ども同士遊ばせてくれたり。

 

 母親同士で意気投合すると、子どもが学校に行っている間にランチに行ったり、あとはいろいろな場所へお出かけしたり。習い事に誘われて、一緒に始めたり。

 時間だけはあるので、皆、今しかできないことを楽しんでいる感じだった。

 友達とのお出かけで、特に思い出に残る場所をまとめてみよう。

 

①アンティークマーケット

 実はアンティークにはさほど興味はないのだが、アンティーク好きな友達とスピタルフィールズやコヴェントガーデン、エンジェルのマーケットに行った。見ているうちに欲しくなり、小さいお皿やクリスタルのグラスを購入。

 

②カントリーリビングのクリスマスフェア

 毎年行く人もいる、カントリーリビングのクリスマスフェア(とかいう名前)。大きな会場いっぱいに、クリスマスのオーナメントや食べ物などが勢揃い。しかも室内なので寒くない。

 ヨーロッパのクリスマス!という感じでついつい散財。

 

③クリスマスシーズンのリバティとF&M

   ロンドンの老舗百貨店リバティとF&M(フォートナム&メイソン)は、知らない人はいない日本人マダムの御用達の店。

 いつ訪れてもステキだけど、クリスマスシーズンは一段と美しかった。F&Mはクリスマスハンパーを買うお友達も多かった。

 

④パブ

 イギリスといえばパブ。お友達とお茶をしにcostaやカフェに行くよりパブでビールを飲む方が多かった私。イギリスは繁華街の道を歩けばパブがあるので、いろいろな所に行った。

 

⑤公園

 上記①〜④は、日本人のお友達と行くことがほとんど。ではイギリス人の数少ない友人と何をしていたかというと、やはり④パブ!あとは休みの日に子ども達を連れて公園へ。

 イギリスの公園は、マンションの隙間にぽつんとある日本のそれとは違い、広々として緑も豊か。ピクニックシートを広げて、持ち寄ったスナックや果物、飲み物を手に母達はお喋り。子どもたちは好きに走り回ったり、シャボン玉や水鉄砲で遊んだり。そのうちアイスクリームバンがやってくると、みんな大喜びで買いに走った。今となっては、イギリスの短い夏の、素敵な思い出だ。

 

 他にも、スポーツをしたりミュージカルに行ったり、とにかくお友達のおかげで楽しい思い出がいっぱい!

 帰国後に子どもから、「お母さんは英語もできないまま、楽しんで帰ってきただけ」と笑われたけれど、事実だから仕方ない。

 

初めてのプレイデイト

 イギリスの子育てで避けては通れない誕生日会、の次はプレイデイト。プレイデイトなんて言葉も知らなかった私。

 ある日、下の子のクラスメイトのママから「うちの子があなたの子とプレイデイトしたいって言ってるんだけど、いいかしら?」と言われ、「それ、何?」と聞き返して笑われたっけ。親切かつ日本人に慣れていると思われるそのママから、放課後一緒に遊びましょうと説明され、二つ返事でOKし、帰宅後に検索しました"プレイデイト"。

 

 日本と大きく異なるこのプレイデイト。一緒に遊ぶのみならず、軽食とか夕飯とか場合によってはお風呂まで、というではないですか?!

そのままお泊まり(スリープオーバー)なんてことも?!ハードルが、高すぎる…。

 

 さっそく日程を相談し、お互いの子の希望を聞いて、ママはなし(お友達の希望)で我が家に遊びにきてもらうことになった。

 連絡先は知っていたので、アレルギーや食べ物の好み(ハラルなのかとかビーガンなのかなど)を聞いておいた。

 さて当日。放課後、お友達も一緒に我が家へ。お互いシャイな性格なので、ニコニコ、モジモジ…。家につくとさっそく2人でお庭でおやつタイム。その後は部屋に入って何やら楽しそうに遊んでいた。夕方、軽食の時間には、子どもと一緒に巻き寿司(きゅうりのみ)を作って食べた。巻き寿司はイギリスの子も好きだし、何より楽しんで作って食べられるので、我ながら良い作戦!

 そしてママがお迎えにきて、初めてのプレイデイトは無事に終了した。

 子どもも「楽しかった、また遊びたい」と満足そう。日本人以外のお友達と、放課後に遊ぶことがなかったため、母は少し感動したのだった。

 

 現地のお友達をたくさん呼んで、一緒に家で映画を観たり、お誕生日会を開いたり、、というのは私たち親子にはちょっとハードルが高くて出来なかったけれど、「次はうちに来てね!」というお誘いでお友達のお家に行ったり、他のクラスメイトを誘ったり、以後は何度かプレイデイトを楽しんだ。

 

 現地のお友達たちは、もっと気軽にプレイデイトをしているのかと思いきや、あるお友達のママから「うちの子、プレイデイト初めてなの。だからすごく楽しみにしていて。」と言われた。イギリスも共働きの家庭が多いので、みんな忙しいのだろう。この辺りの事情は日本と一緒だ。

 

 正直、英語ができない母にとっては、放課後遊んだりお泊り会をするのは、日本人のお友達の方が断然気楽なのだけれど、、何事も経験。子どもにも、そして私にも、良い思い出になった。

お友達のお誕生日会

 イギリスにおいて、小さな子どものお友達付き合いで避けては通れないもの、、それはお誕生日会とプレイデイトではないだろうか(大袈裟ではなく)。我が家の子ども達が経験した誕生日会とプレイデイトの思い出を回想してみよう。

 

【お誕生日会】

 お誕生日の数週間前に保護者から直接打診されたり、子どもが招待状をもらってきたりする。直接打診された場合は、やりとりはテキストやメールだったり、招待状の場合には、日時と場所が記載されていて、返信用には出欠の返事の他、子どものアレルギーの有無、保護者の連絡先まで記入する欄があったりした。 

 

 さて、出席しますとお返事したらプレゼントを用意しなくては。最初は何をどうしてよいかわからず、戸惑うばかり。

 どうやら、開催場所が自宅の場合は、年齢+αくらいの値段のプレゼントで良いらしい。子どもがお友達に好きなものやお気に入りのキャラクターを聞いたり、ママが友達だとママからリサーチしたりした。

 悩ましいのが、アクティビティのある会場の場合。イギリスはアスレチック公園やトランポリン(室内)など、至る所で誕生日会ができる。また、誕生日会の代わりに「一緒に○○に行きましょう」というお誘いも。

 我が家が最初にご招待いただいたのが、まさにこれで、「一緒にキッザニアに行きましょう」だった。この場合は入場料プラスαくらいのプレゼントを用意するのがベターらしい。一緒に招待された子のお母様(永住の方)に相談し、2人合同でLEGOの何かを買った。

 また、室内アクティビティ時やご自宅でも、時にママもご一緒にどうぞ、なんてことも多い。

 英語が全く、の私には到底ムリムリ!なので、ご自宅開催の時は、何時に迎えに来ますと言って退散してしまった。開催場所が遠い時は仕方ないので一緒に見守っていたけれど、お誕生日会の主役の子が女の子だと、みんな着飾っていて、とても可愛くかつ嬉しそうで…素敵だなと思った。

 

 帰る時にはグッディバッグとかいっただろうか?お土産がもらえるのも子供たちのお楽しみ。また、後日主役の子が一生懸命書いてくれたサンキューカードをもらったり(○○のプレゼントありがとう。とても気に入ったよ。などと書かれていた)。

 準備する親御さんも大変だったろうな、と思う。

 

 パーティ自体、日本では馴染みがないのだが、興味深いのが誘い方。本当に普通に、なんの気兼ねもなくお友達が好きな友達に「はい、これ招待状」と渡してくれる。

 なんだろう、、日本だったら、みんな呼ばないとかわいそうかな、とか、気まずくないよう内緒で、とかいろいろ気を遣いそうなものだが、そんな気兼ねは全くなし!子どもが呼びたい子に声をかければ良いのよ、だって誕生日会なんだから、という潔さ!!見習いたい…。

ロンドン補習校に通う

 ロンドン日本人学校は、土曜日は補習授業校として、各地から国語の授業を受けるために子ども達が集まってくる。

 土曜の我が家の周辺は、ランドセルを背負った子と送迎の保護者で賑わっていた。

 

 我が家の上の子は、現地校より1週間早く補習校に編入できたのだが、結果これが彼にとっては良かった。

 初日、緊張しながら登校し、迎えに行ってみると笑顔で教室から飛び出してきた。担任の先生もとても親切で、「音読がとても上手ですね!みんながシーンとして聞き入っていました。ですから、『みんな、これが日本の学校なんだよ』て言ったんですよ。」と褒めてくださり、彼も自信がついたようだった。

 また、すぐに仲良しのお友達ができたようで、翌月そのお友達の誕生日会にお呼ばれ。親はビックリ!(これはまた別の機会に綴ろう)

   

    補習校は昔はもっと人が多かったと聞くが、我々がいた頃は、小学4,5年生くらいから人数がグンと減ってしまっていた。理由としては、そもそも駐在員家庭が減っていること、塾に切り替える日本人家庭の子が多いこと、また永住の方だと日本語についていくのが厳しくなるので辞めてしまわれる方が多いのだそう。

 

 通ってみてどうだったかというと、我が子の場合は学校より先にお友達ができたし、いくつかの日本の行事(運動会や、餅つき、いろいろな遊び)も経験できて楽しんでいた。周りの保護者の方も当たり前だけど全部日本語だし、私自身も何だか気楽。ただし係は絶対!これは日本と同じ。

 何より、子どもの漢字や文章力は本当にどんどん衰えていくので、週に一度強制的にでも機会があるのは良いことだと思う。

 なお、補習校に、日本の学校の授業レベルを求めてはいけない。。