ロンドン 徒然子連れ

イギリス ロンドン 駐在員の夫と私、2人の子どもと共に過ごした2年半の備忘録です。

primary schoolのこと②

続 イギリスの公立小学校について。違うことばかりなので、特に大きく異なる点をまとめておこう。

 

日本と異なるところ

・学校を選べる が、必ず入れるとは限らない

 日本では公立小学校に入学・転入する場合、自動的に住まいの学区から学校が決まる場合がほとんどだと思うが、イギリスでは学区内にある学校から選ぶ事ができる。

 つまりは自らいくつか希望する学校を選んでカウンシルにリクエストし、ウェイティングリストに名前を載せてもらわなければならないのだ。

 公立小学校は原則授業料はかからないのだが、学校の規模や教育環境は様々。当然人気のある学校にはリクエストが殺到する。厄介なことに、ウェイティングリストは申し込み順ではなく、学校から自宅までの直線距離の短さ、兄弟がすでに在籍しているか、そして申し込み時期を考慮して順番待ちとなるようだった。

 

 学校を選択できるのは良い点だが、1クラスの定員が決まっているため、編入の場合は空きがないと絶対に入れない。そのため、もしどうしても行きたい学校があるなら、学校の近くに住むのが一番。これがなかなか難しい…。

 

 我が家は、第3希望の学校から1週間くらいで上の子のクラスに空きが出た、と連絡がきた。そして編入後に下の子はシビリング(兄弟が在籍)により、リストの1番になったと教えてもらい、数日後に連絡がきて編入となった。

 その後、数ヶ月後に第2希望の学校から連絡が来たのだが、子どもたちがもう転校したくないと言ったため、リクエストは取り下げた。

 

 

・教科書がない

 イギリスの小学校には教科書がない。だから何を勉強しているのか、よくわからない。子どもが英語を理解して説明してくれるようになるまで、全くわからなかった私。ちなみに我が子は、第二外国語(フランス語)の授業も初めそれとは気付いておらず、やけに難しい英語だな、と思っていたらしい。

 教科書がないほか、ノートは学校から配られるし、文房具はクラスで共用のものを使用するので、登下校の荷物がとても少ないのはありがたい。

 

 

・体育座りはNG

 日本の幼稚園や小学校でよく見かける、お山お座り(体育座り)。イギリスの小学校では全く見かけない。それどころか、我が子がお山お座りをすると、先生が来て注意されている!と驚いた経験があるのは私だけ?

 イギリスでカーペットやフロアに座る時、子どもたちは何の躊躇もなく、"Cross the legs" あぐらをかいて座る。行儀悪い!と最初は違和感があったが、親も子もすぐに慣れたのであった。そして帰国後、体育館やグランドで1人あぐらをかく我が子に苦笑いしたのだった。

 

 

・送迎が必要

 外国では当たり前なのだろうか、学校の送迎。イギリスは11歳未満の子どもの一人歩きは禁止なので、例えば日本でよく見かける、"スーパーの駐車場で子どもだけ車内に留守番をさせて買い物をしているの"が見つかったら罰せられる。

 学校には保護者の送迎が必要で、教室の前まで送っていくし、帰りは教室の前で先生に子どもの名前を言って呼んでもらう。朝は9時ちょっと前、帰りは15時過ぎ。我が家は徒歩通学だったので、私にはなかなかの運動。面倒だと思うこともあったが、日本の小学校と比べると、周りの保護者と話す機会があるし、子どもの友達がわかって、今思えばメリットもあった。

 

 

・出席に厳しい

 意外と見落としがちなのがこの出席率問題。

 せっかく海外駐在したのだから、旅行にも行きたいし、一時帰国は安い時期に長めに帰りたい!という思いもあるが、なんとイギリスなのに日本より厳しいのが、この"出席率"。

 日本では保育園や幼稚園、小学校低学年くらいだと、保護者の都合で平日数日休んで旅行に行っているお友達をお見かけしたことがある。

 イギリスでは理由のない欠席は絶対NGで、長期で休むとカウンシルに罰金を払わなければならない。私の知り合いで「親戚の結婚式に出席したいので」と欠席届を出したところ、「理由が弱い」として認められず、これでは無断欠席の扱いになってしまうため、当初の予定より短期間で帰ってこなければならなかった、ということがあった。

 病欠の場合でも、欠席が多いと学校から注意を受ける。遅刻、早退も同じ。

 「保護者は子どもに教育を受けさせる責任がある」ので、健康管理も保護者の責任、ということか。

 

・給食かお弁当が選べる

 日本に帰国すると、子どもたちはまず「給食が美味しい!」と大喜び。これ、帰国あるある(多分)。イギリスは食べ物が美味しくない、という評判通りなのか、給食の評判が良くなかったのは我が子の学校だけだろうか?

 ともかく、給食(スクールミール)かお弁当持参かを選べる。給食はyear2までは無料、その後は食べた分を支払うシステム。メニューはハラル(ムスリムの子ども用)やビーガン(vegan)フードもあって、一応気を遣ってはいる。味はわからない。

 

・何かと仮装する日がある

 年に何日も、「何らかの日」ということで様々な仮装をして登校する日がある。覚えているところで、パジャマデーやワールドブックデーなど。

 パジャマデーは文字通りパジャマを着て登校。なぜか冬に!ワールドブックデーは、好きな本のキャラクターになって登校する日。この日は子どもたちの仮装もさることながら、先生たちの仮装を見るのも楽しみ。

 他には、いろいろな国の衣装を着て登校する日もあり、下の子が着物で登校すると日本好きの先生がすごく褒めてくれたり…。子どもが小さいうちは、甚平とか着物とか持っていくと良い、とはこのことだったか。

 初めはすごく驚き、かつなんて面倒なんだ!と思ったのだが、何やかんやで楽しんでしまった。

 

 

 他にも、制服があったり、土足(上履きなし)だったり、参観日がなかったり、違うところはたくさんある。

 思い出したら、また綴ろう。