ロンドン 徒然子連れ

イギリス ロンドン 駐在員の夫と私、2人の子どもと共に過ごした2年半の備忘録です。

見えない壁と見える壁

 ロンドンは人種のるつぼ。

 学校はその縮図のようなもの。髪や眼や肌の色もみんな違って当たり前、という雰囲気に初めは親の私の方が興味津々。地域にもよるだろうが、我が子が通っていた公立小学校は、いわゆる生粋のイギリス人、みたいなお子さんはあまりいなかったように思う。

 

 各学校の情報が見られるサイトでは、英語を母国語とする子どもの割合がチェックできるのだが、半数にも満たなかったように記憶している。母国語の種類も10を超えていて、「え?!そんなに言語ってあるのか!」と驚いた。

 

 学校の送り迎えの際、かたまって話しているのは大抵日本人か、ヒジャーブ(スカーフ)を被ったイスラム教徒のお母さん達。みんな英語では話していない。当時、イスラム教徒のお母さん達の中には、裕福な中東の方の他に、シリアやパレスチナからの避難民の方々もいて、中には英語が話せない人もいたのだろう。見える壁=言葉の壁である。

 

 子ども達もまた然り。休み時間、日本人の子ども達はまとまって遊ぶ傾向だった。なぜか年齢が高くなるほどその傾向が。

 これは賛否両論あり、せっかくイギリスにいるのにもったいないというのは親としてはもっともな考えだが、子どもにしてみれば、授業中は散々英語に苦労しているのだから、休み時間くらい自由にしたいのだろう。もしかしたら、文化の壁という見えない壁もあったのかもしれない。

 

 日本人が多すぎる、と思えば住む地域や学校を変わる選択もあり。反対に、ずっとイギリスに住んでいる日本人家庭の方で、編入した結果、日本語が伸びて良かった、という話も。

 住む地域、選ぶ学校も、考え方はそれぞれ。正解はないのかもしれない。